夕方のテレビに松任谷由実の特別番組が流れていた、
アルバムにもなった「飛行機雲」の新企画の一環だろうか!
彼女の歌に詳しい訳ではないが私も聞き覚えのある歌だ。
松任谷由実はニューミュージックの草分け的な存在なのか、
ニューミュージックはフォークから出発しているらしいが、
ポピュラーソングの詳しい分類は私には解りようもない。

それにしても音楽のジャンル分けは曖昧なようで、
周囲はニューミュージックに入れたくても当人が拒否したり、
ま、そんな事情が音楽業界に有るのを物怪の幸いとして、
それで私的に「ソウル」として一纏めにしておきたいと思う。
それにしても音楽無知な私に出来そうなジャンル仕分けは
クラシック音楽、民謡、歌謡曲、ソウル音楽くらいなのです。アセ


ところで業界で松任谷由実と井上陽水は同ジャンルに入るが、
フォークから出発しても目的地までの道程はそれぞれ異なり、
両者の場合はどこがどう違うのだろうかと考えてしまった。
商業音楽でとおる松任谷由実であり、井上陽水だと思うが、
二人ともにギターいっぽんで演奏活動をしている訳ではない。
どちらも作詞・作曲を一人でこなす点で共通する訳で、
それなら二人のどこがどう違うのだろうか?
そんなことを考えながら聴いた曲が「傘がない」だ。


  ①  「傘がない」 (作詞・作曲・井上陽水)

  都会では自殺する若者が増えている
  今朝きた新聞の片隅に書いていた

  だけども問題は今日の雨 傘が無い
  行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
  君の町に行かなくちゃ 雨に濡れ


松任谷由実の歌詞の部分も載せます。

  ②  「飛行機雲」 (作詞・作曲・荒井由実)

  白い坂道が空まで続いていた
  ゆらゆら陽炎が あの子をつつむ
  だれも気づかず ただひとり
  あの子は昇っていく
  なにも恐れない そして舞いあがる


  ③  「卒業写真」 (作詞・作曲・荒井由実)

  悲しいことがあると開く 皮の表紙
  卒業写真のあの人は やさしい目をしてる
  町で見かけたとき なにも言えなかった
  卒業写真の面影がそのままだったから
  人ごみに流されて変っていくわたしを
  あなたはときどき遠くで叱って


二人の歌詞①②③をフォークソングとして観たとき、
なにかが浮びあがって見えてくる気がしませんか。

人はそれぞれのスタンスを以って社会に係わる。
私は私の、陽水は陽水の、ユーミンはユーミンのスタンス?
自分のスタンスを他人に押しつける訳にはいかなくて、
だけど主張に気づかれなければ無駄にも見える、
気づかれたいけど気づかれたくないのかな、なんて、

お陰さまで愉しく考えさせていただきました。