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ドラマ「千日の約束」は若年性アルツハイマーの女性がメインで、
30才で患い、3年後に亡くなるまでの心の軌跡と人間愛を綴る。

ヒロインは、
頭脳明晰で好きな詩を美しく諳んじる文学肌の作家であるうえ、
母親代りになって弟を立派に育てているシッカリ者の女性です。
周囲への配慮も出来て、仕事もできる聡明なキャリアウーマン、
部下や上司との距離のとり方、客あしらいもおそらく計算どおり、
好みのセックスフレンドもいるから先進的な女性といえそうです。
才能に恵まれた優れたこの女性を理解する力は私にはないが、
生涯プランも計算どおりの優雅な日々を期する筈だったと思う。
つまり人に好かれ・愛され、上を目指して生きる近代女性です。

優雅に生きる筈が、病気が進行して醜く汚い心をさらけ出す、
理性で抑えつけていた感情や苛立ちが手に負えなくなって
不満を抱く人を口汚く罵ったり、暴力を振るったりする彼女、
不安な彼女の本心は「こんな筈ではなかった」ではないかしら、
これまで積み重ねてきた積木がいっぺんに崩れるように、
長年築いてきた彼女の人柄も信用も音を立てて崩れおちる。
それは恋人や家族や友だちに見せてきたのと違う別の自分。
神の御手に清らな魂を委ねる計算はどうなってしまうだろう。

恋人は今、彼女と同じ十字架を自ら背負ってくれているけれど、
それが「十字架を背負って私のために生きる恋人」なんだね。
自ら負った十字架は軽く、負わされた十字架は余りに重たく、
「ごめん、いっしょに苦しんでやれなくて」って詫びる恋人だ。
綺麗に別れた恋人は許嫁にそっと返す予定だった筈なのに、
その恋人に縋るほか、息継ぐ所はどこにもない彼女なんです、
十字架を背負う嵌めに追い込んだのは自分だと解っている?
やさしい許嫁はちっとも責めなかったけれど、だけどだけど。

白紙の状態で生れる人の子は、順調に育って羽ばたくべきで、
生れた環境や家族、社会的地位をバネにして飛翔するべきで、
先を観る目を持った彼女は無理せず、幸せの階段を昇りゆき、
自信に満ちて仕事をし、恋の歓びを満喫するプライド高い女性、
その彼女を襲った若年性アルツハイマーの病魔なんですね。
明晰な頭脳には数年後の己の姿がまざまざと見えるのでしょう。
美しく生き、美しく老い、美しく亡くなる素敵な計算だったのに、
だけど彼女にはそれは適わぬ幻想となって砕けちったのです。

最終回で私はあのスクルージを想い出してしまった、
もちろん、スクルージはキャロルなんか歌わなかっただろうし、
ドラマのヒロインは恋人と歌ったか聴きにいったと思うんだわ、
12月にはあの曲がどこでも・韓国でも盛大に流れるのだろう。